歴史情緒あふれる街並みで、若い世代で酒造りへの探究心を追い求める酒蔵“曙酒造”


歴史とロマンの町“会津坂下町”

町内では、3件のそば工房でそばの手打ち体験をすることができ、自分で手打ちしたそばや、そば粉をお土産に持ち帰ることができます。

福島県の会津盆地の西に位置する会津坂下町は東に阿賀川、西に只見川が流れており、米の名産地である会津の中でも特に有名なのが「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「瑞穂黄金」などの極上米が収穫されています。

また澄んだ空気と昼と夜の寒暖の差が大きい気候から、そばの栽培に適しており、町内で楽しめる採れたてのそば粉を100%使用した「糸桜里の湯ばんげそば」などが有名です。特に会津坂下のそばは、その寒暖差からそば粉を伸ばすだけでなく手打つすることで、そばの旨味と喉ごしの良いそばに仕上がっています。

会津坂下を代表する酒蔵「曙酒造」「廣木酒造本店」「豊国酒造」

会津坂下町は水も良く豊富であることから、町内には曙酒造を始めとする廣木酒造本店や豊国酒造などの江戸・明治からの老舗の酒蔵が3軒あり、会津坂下の町で日本酒への探究心を燃やしているクラブマンシップ溢れる造り手たちが伝統と格式を交えたそれぞれの個性豊かな酒を醸しています。

馬肉は昔から「さくら肉」とも言われており、会津坂下では馬の競り場が存在していた「馬肉文化」の町です。

また、会津坂下町は一人当たりの馬肉消費量が日本一という、まさに「馬肉の街」です。その証拠に会津坂下町は馬肉を扱うスーパー・精肉店が12軒、飲食店が20軒もあります。またその中には馬肉専門店も多く所在し、会津坂下が発祥のニンニク唐辛子を使った極上の辛子味噌ソースとの掛け合わせは、馬刺しの旨味をより引き立たせ、会津坂下の地酒との相性も抜群です。

外部委託型の杜氏制を廃止し、当時では珍しかった自社での杜氏制を導入した酒蔵

商店街には老舗の呉服屋、菓子屋、米販売店などが多く並んでいました。

創業明治37年の曙酒造合資会社は、会津若松市から新潟方面へ約30分ほど離れた場所に所在し、米の豊作地でも有名な会津盆地のほぼ中央に位置する会津坂下町で温度管理に徹底した丹念込めた酒造りを行っています。

酒米を蒸す蒸米機は圧巻。

当初は主流だった外部委託型による杜氏を始めとする季節性で委託する技術集団を廃止して、自らの手による酒造りをいち早くに始めた酒蔵です。「米の持つポテンシャルを最大限に引き立てる酒造り」を第一に米一粒、水一滴にも蔵人の温もりを込めた酒造りを心がけています。

代表銘柄は華やかな香りに会津らしい奥深い味わいが特徴の「一生青春」と製法や米にこだわり季節ごとの味わいと透明感でみずみずしい味わいが特徴の「天明」、そして女性やお酒に縁のない人たちのために考案された日本酒ベースのリキュール「snowdrop」の美酒3銃士を醸しています。

「一生青春」

当時製造していた日本酒は「2級酒」が大半を占めていましたが、他県の酒蔵視察を重ね、これからの時代を見越し「自分たちだけで造ろう」と、外部委託の杜氏制(醸造責任者)を廃止して生み出したのが一生青春です。「歳を重ねても、酒造りに対するハングリー精神を絶やさず、常に日本酒のために自分たちが挑戦する心を持つ」という思いが込められた会津の銘酒です。

 一生青春は会津らしい米の複雑味とともに、華やかな香りと穏やかな甘味が口いっぱいに広がる味わいが特徴です。熱燗やぬる燗で飲むと飲み口がぐんとまろやかになり、豊富なバリエーションで楽しむことが出来ます。

1999年に「一生青春」のブランドを立ち上げ、翌年の全国新酒鑑評会にて金賞を受賞するとたくさんの人から注目を浴びて、曙酒造「モデルチェンジ」の立役者となった栄光のお酒です。

平均29歳の若い蔵人を中心に、体制を一新した道を切り拓く

現在、曙酒造は生まれ育った土地で後悔することなく、蔵の体制や目的を明確にした酒造りをテーマに、若返りと原点回帰を中心とした酒造りを行っています。「美味しい日本酒を造ることを第一優先に、どんな些細なことでも手を抜かず、率先的に日本酒のために投資する」という現6代目蔵元の鈴木孝一氏の考えのもとに「日本酒を通じて地元の魅力も一緒に発信したい」と日本酒のさらなる可能性を追求し、この蔵人たちとこの場所でしかできない地域に愛される“和醸良酒”を醸し続けることを目標にしています。

日本酒に合った温度管理を第一に!

液体を滓引きする場所は清潔感などの衛生管理が肝になるといいます。

曙酒造では湿度調整の出来る冷蔵調湿庫や精米されたお米を保管し気泡を含んだジェット水流で糠を完全に取り除くなど最新鋭の自動洗米機を導入することで、より良い状態で原料処理をし美酒を醸すことができる設備を整えています。

上槽(酒粕と酒に分ける作業)を行う際に使用する搾り機

蔵に訪問した際、特に印象的だったのが氷点下の低温による酒造りです。槽場(日本酒のもととなるもろみを搾るための部屋)は温度管理が徹底されており、船場を-5℃の環境にすることが出来る冷蔵設備で囲っています。

こうすることで、日本酒が本来持つフレッシュで新鮮な味わいをお客様に届けることが出来ます。多くの日本酒愛好家にできるだけ日本酒本来の美味しさを体感してもらうための努力には余念がありません。温度管理を徹底し、手間暇を惜しまない酒造りから、強い日本酒愛を感じ取ることができました。

住所:福島県河沼郡会津坂下町戊亥乙2

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