


山口県下関市は、山口県の西部、本州の最西端にある都市である。中核市および中枢中核都市にも指定されており、古くから関門海峡に面する港湾都市、大陸への玄関口として栄えたこともあって人口は県庁所在地の山口市をも上回り、山口県下では最大である。中国地方では広島市、岡山市、倉敷市、福山市に次ぐ5番目の規模であり、近畿地方以西では唯一県庁所在地の人口を上回る中核都市としても知られる。関門橋や関門トンネル、新関門トンネルなどで繋がる対岸の福岡県北九州市と密接な関係性を持ち、関門都市圏を形成している。北九州市の中心記駅である小倉駅と下関駅との間は在来線で15分程度の近さであるため、北九州市への通勤通学者も一定数存在する。長州酒造からJR九州/小倉駅までは50分程度でアクセスすることができる。

下関港周辺は、古くは「赤間関」と呼ばれており、これを赤馬関とも書いたことから、これを略した「馬関」という別名も用いられた。また、唐戸市場を中心として日本最大の河豚の集積地としても有名である。関門海峡を臨む春帆楼は、日本における河豚料理公許第一号店である。ちなみに下関は、1888年に日本で唯一ふぐの食用が解禁されていたため、河豚の流通を担う街として多くの河豚が集まってきたという背景がある。

山口県下関市で「天美」を醸す、長州酒造株式会社は1871年創業の老舗酒造「児玉酒造」の事業を受け継ぎ、2020年から新たな酒造りを始動。長年親しまれていた児玉酒造の地元銘柄「長門菊川」とともに、長州酒造の新銘柄として「天美」を誕生させた。銘柄の由来は、稲を育む太陽にちなみ、日本古来の神様である「天照(あまてらす)」と「酒を意味する別称「美禄(びろく)」から1文字ずつ頂戴して名付けられた。

ちなみに長州酒造が蔵を構える菊川には、かつて4軒の酒蔵があったのだが、現在は長州酒造を残すのみとなっている。酒蔵の傍を流れる「菊川」は酒造りの名水として昔から親しまれてきた川である。

長州酒造の代表銘柄である「天美 純米吟醸」は穏やかで爽やかさを感じられる香りと、白葡萄を連想させる柔らかな甘みと酸味、柑橘を思わせるフレッシュさのある食事に寄り添える日本酒を目指して醸される。「天美 純米吟醸」は2020年の発売開始以来、どのジャンルの料理とも好相性で食事の邪魔をしない綺麗な食中酒タイプであったことから飲食店や消費者からの支持を集めてきた。当初の売れ行きは凄まじく、酒販店が注文しても十分な数量が届かなかったほどの人気ぶりである。長州酒造は徹底した衛生管理と充実した醸造設備、蔵人たちが5年で培った確かな技術、豊富な湧水などを上手に活かしながら、この6年間で山口を代表する人気の酒蔵のひとつとなった。

長州酒造の親会社である長州産業は、先進のエネルギー機器や有機ELデバイス製造装置など、幅広い分野で高度な技術を持つ製造メーカーとして知られる。再生可能エネルギーを中心としたエネルギー機器分野では業界トップクラスのシェアを持ち、水素エネルギーなど先進技術にも取り組んでいる企業だ。また、製造装置分野における技術は業界でも高く評価され、活動の領域は国内のみならず海外へも広がっている。また、酒造業は多角化戦略のなかでも地域貢献活動の一環として参入したそうだ。

これからも若手の蔵人が一丸となって美酒を醸し続け、山口・下関の魅力を発信することで地域に愛されるする酒蔵としての役割を担っていく。
文:宍戸涼太郎
写真:茶畑七月
編集;宍戸涼太郎












